1.ほおづえをつく女
作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三
振り向きもせずに男は去った
女は半年泣き続けた
薄暗い部屋で ほおづえをついたまま
幸せな日々を 思い出していた
何故すてられたのかも わからないまま
女は半年泣き続けた
新しい季節が女を変えた 出会いを求めて町に出た
髪を切り胸のボタンひとつはずして
化粧直して 女は生まれ変わった
お茶を飲みながら ほおづえをついたまま
女は男を捜しつづけた
女はそっと煙草くわえた 男はすかさず火をつけた
かげりある女は とてもきれいに見える
思わず誰でも 手をさしのべてみたくなる
灰皿の中の 古い燃えさしがまた
新しい炎で燃え上った
数える間もなく時は流れた
振り向きもせずに 男は去った
慣れすぎた暮らしに 女は甘えすぎて
男の心にまで ほおづえをついてしまった
夜空の星が とても美しいのは
ほんのすこし 光っているから
2.夜の国道
作詞:大久保一久
作曲:大久保一久
夜の国道雨まじりの霧の中を
二人乗せた車が走って行く
雨の音に消されながら別れ話し
男の口からこぼれる
愛の終りはいつでも燃え尽きたマッチの軸さ
一度つけば激しく燃えあたたかくつつみこみ
そして燃え尽きてしまえばはかなく消える
街の灯雨に煙り、遠くに見え
何故か二人の間あらわすよう
流れてくるラジオを消したその男は
まるで過去をのがれようとしている
行きかう車のライトが女の横顔てらし
まるで幕がおりた時のピエロの顔のようさ
いつも楽しませ終われば涙もみせる
愛の終りはいつでも去り行く女の素顔
ひとつひとつこわれてゆく砂の器のようさ
そして流れてしまえばあるまいものを
3.3号線を左に折れ
作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三
都会に住んでる人達は
時には海へ行きたくなる
車飛ばしながら ふとそう思う
3号線を左に折れ
海へ向う道に吹く風
今はもう冷たく 右うでをなでる
忘れさられた海は
波の音さえ
心なしかさびしい
この海で写した二人の
記念写真を今うづめて
想い出は返そう 出逢った海へ
写真に写るときの君は
いつも目をつぶっていたね
きれいなものだけを見てたかったんだね
あの街並が見える
遠くかすんで
しまっておいたストーブ
もう出さなければ
いけない季節です
4.旅の午後
5.通り雨
作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三
通り過ぎた雨に
細い肩を濡らして
あの娘は一人ぼっちになろうとしている
淋しいのなら忘れよう
人の心なんて
にぎやかなお祭りの人ごみの中で
浴衣がけ 細い肩 通り雨
二年ぶりにたずねた
下町のお祭りは
まるであの日と同じ顔でむかえてくれたのに
久しぶりなら忘れよう
なつかしさなんて
風車くるくると音をたてる夜に
浴衣がけ 長い髪 通り雨
幸せすぎてこわいと
大吉破いてすてた
何もかもが昔に向かって走り去ってゆく
思い出すなら忘れよう
おもいでなんて
指切りがほどけてはいけないはずなのに
カラカラと 石畳 通り雨
赤い鼻緒切らして
上目使いに笑った
かわいそうなくらいの小さな胸もと
悲しいのなら忘れよう
君の笑顔なんて
熱い涙足もとにはじけて落ちた日に
ほほ濡らす 悲しみの 通り雨
6.アフターヌーン通り25
作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三
涙ぐんでたように見えた
あの日の店の片隅にいて
憧れてるのはとても古いアメリカの唄のよう
そして二杯目のコーヒー
ウフフフ…雨が降り始めたから
もう君を離さないよ
そして君とも一度うまくやってゆきたい
風が季節を運んでいった
君はやさしい女になった
煙草ふかしていつか見た
フランス映画のよう帽子を深めにかぶって
ウフフフ…雨が雪に変わる頃
君を連れてゆくよ
街はずれに見つけた新しいぼくの部屋まで
7.小さな手
8.地平線の見える街
作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三
汽車はもう出ようとしてるのに
あいつと握手のひとつもできない
てれくさいものさ男同士なんて
明日から淋しくなるというのに
旅に出るのはいつもの気まぐれさと
笑いながら君は言う
今頃雪に眠る北の街で
夢を見て欲しいすばらしい友よ君はいつまでもさ
酒と涙の味が同じだった
あの頃はとてもよかったね
君はそのひげをそらないで欲しい
この街で暮らした思い出として
君の部屋は車の写真と
いくつかの地図に囲まれ
西の窓から黄昏れる頃
いつもきまってカリフォルニアの歌が流れて
きたものだった
君はいつもぼくに言ってた口ぐせのように
このせまい国のどこかにきっと
地平線の見えるところがあるとね
その目を輝かせて
9.君と歩いた青春
作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三
君がどうしても 帰ると言うのなら
もう止めはしないけど
心残りさ 少し
幸せにできなかったことさ
故郷へ帰ったら
あいつらに会うといいさ
よろしく伝えてくれ
きっと又 昔のように
みんなで楽しくやれるさ
みんな いいやつばかりさ
ぼくとは ちがうさ
そして あの頃と同じように
みんなで 釣りへでも 行きなよ
ケンカ早いやつもいた
涙もろいやつもいた
みんな 君のことが
好きだったんだよ
本当はあいつらと 約束したんだ
抜けがけは しないとね
バチ当りさぼくは
だけどほんとさ愛していたんだ
きれいな夕焼け雲を
憶えているかい
君と始めて出逢ったのは
ぼくが 一番最初だったね
君と歩いた青春が
幕を閉じた
君はなぜ
男に生まれてこなかったのか
10.ふっと気がつきゃ
11.少しだけの荷物
作詞:伊勢正三
作曲:伊勢正三
もしも、幸せを計ることができるなら
積重ねた新聞の高さなのかも知れない
もうすぐ君もこの部屋を出て
新しい生活が始まる
住み慣れたこの部屋に
慣れすぎたその時が
いつかは来ることもわかってはいたけれど
愛し合ってたあの頃の二人は
けんかも出来たのに
この頃はとてもやさしい目をしてる
愛し合ってたあの頃の二人に
一日はすぐに暮れたのに
この頃時はぼくの回りで止っている
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